持ち家 マンション にはさまざまな維持費がかかります。毎月必ずかかる諸費用は、住宅ローンとともにしっかり把握しておかなければなりません。住宅ローンの滞納が続くとマンションが競売にかけられる可能性もあります。
加えて、諸経費も支払っていく必要があります。そこで今回は、マンション3つの経費である、管理費、修繕積立金、固定資産税等について解説します。
マンション購入後にかかる維持費とは?
マンションを持ち家にする場合にさまざまな維持・管理費がかかります。たとえば、集合住宅では、建物の経年劣化や設備不良、故障があった場合に修繕費が必要です。
また、適切な管理ができていないマンションは、建物の劣化が進み、資産価値が下がってしまいます。
このように住みやすいマンションにするためには、修繕積立金や管理費が必要になります。
修繕積立金について
修繕積立金とは、分譲マンション等で共用部分の維持、修繕を行うため管理会社に毎月支払うお金です。
分譲マンションは、10~15年に一度「大規模修繕」が行われるので、入居者(区分所有者)から徴収して毎月積み立てておきます。
修繕積立金で行う工事
修繕積立金で行う工事として、外壁補修・改修工事、シーリング工事、塗装工事、給排水管工事、受水槽の取り替え工事、耐震工事、共用廊下のシート貼り替え、共用部分の変更など多岐にわたります。
修繕積立金の金額は、国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」に基づき、長期修繕計画で決められます。
長期修繕計画とは?
長期修繕計画は、マンションの老朽化を防止することを目的として、20~30年程度の期間を想定した期間を対象とします。
工事の内容、時期、費用などを明確し、マンション管理組合が作成します。
管理組合の理事会は、長期修繕計画の案を作成します。
修繕積立金の相場
国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」では、平成17年〜21年11,865円で、平成27年以降は6,654円となっています。つまり、築浅物件の方が修繕積立金の額は低くなっています。
(参考:国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」完成年次別の修繕積立金の月額)
一方、マンション修繕積立金の平均は、平成30年度で月額11,243円となっています。
(参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」管理組合向け調査の結果)
管理費について
管理費とは、マンションの共用部分を維持・管理に使用する費用です。共用部分とは、エントランス、共用廊下、階段、エレベーターホール、窓ガラス・網戸、火災感知器、玄関扉、給水配管、バルコニー、ベランダなどです。
管理費の使い道
マンションを清掃する管理員の人件費、電球などの備品や消耗品費、電気・給排水設備の保守点検費用、消防設備、火災保険・地震保険など共用部分の保険料、エレベーターなどのメンテナンス費用、防犯カメラの費用などです。
管理費の相場
一般的な分譲マンションの管理費相場は、月額15,000円程度の物件が多い傾向にあります。
管理費の単価は、1㎡当たりの管理費に専有面積をかけて算出します。
国土交通省の調査では、平成27年以降は、平均19,897円となっています。
(参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果:管理組合向け調査の結果」)
修繕積立金・管理費いずれも、消費税課税対象外となっています。
固定資産税について
マンションを購入すると、新築・中古に関わらず、毎年「固定資産税」がかかります。市町村が課税しますが、23区内にある固定資産については、都が都税として課税します
土地や建物の固定資産税額は、「課税標準額×1.4%」で計算されます。
固定資産税評価額は、3年に1度、1月1日時点を基準に評価替えが行われます。
まとめ
マンション3つの経費である、管理費、修繕積立金、固定資産税等について解説しました。マンションを購入すると、それぞれ固定費がかかります。購入前からこれらの維持管理費を把握した上で、住宅ローンの返済を計画的にしていくことが大切です。
ローンを滞納した場合は、競売を回避する方法として任意売却が有効となるケースもあります。収入やライフスタイルを考慮しながら、マンション購入を検討しましょう。